2011年03月26日

少しでも何か役に立てれば、と願う

大変なことが起こった。平穏な九州の地に居る私が、被災者へいくら慰めの言葉を呟いてみたところで、彼らへ何の救いにもならないことは分っている。そんなことを呟いたところで、つぶやいた張本人である私自身へ、空しさという後悔が襲ってくるだけである。もし私が被災者に接する機会があるとすれば、彼らの苦悩ややるせなさ、怒りや悲しみにじっと耳を傾け、そして自分にできることをただ黙々とやるしかない。

震災地あるいは避難場所において、我々の技術を利用する際の手引きを気が付いた範囲でまとめてみました。復興活動に携わっておられる方々、下記をご参照になり、もしこの技術が何かしらの役に立ちそうでしたら、次までご連絡ください。(Email: info2@mobcom.ait.kyushu-u.ac.jp)

(1)何ができる?
広い無線LANのエリアを、配線の必要なく、非常に短時間で簡単に形成できます。難しい無線の知識は不要です。5分ほどの説明で、誰でも設置できるようになります。このエリア内では、スマートフォン(iPhone、Androidなど)、スマートパッド(iPadなど)、ノートPC,携帯ゲーム機等のWiFiが搭載された装置が無線でインターネット接続できるようになります。

(2)装置について
我々の技術が搭載された無線LAN装置の市販品が存在します。PicoCELA社のPCWL-0100(http://www.picocela.com/)です。同装置をバッテリで駆動します。バッテリはどのメーカのものでも構いません。要件は15V-0.7Aです。電圧に関しては±2v程度は許容できます。出力が10W以上出せるものを必ず使用してください。実績があるバッテリは、Enax社のPowerBattery Plus(http://shop.enax.jp/shopdetail/003003000001/)です。同バッテリを利用すればフル充電で6時間ほど駆動できること確認しています。このバッテリの容量は77WHです。三脚は普通のカメラ用の三脚で構いません。PCWL本体は500gほどの重量です。これにバッテリを加えた荷重が三脚にかかります。PCWL-0100、バッテリ、三脚で一つの無線LANアクセスポイントを形成します。これらを複数台、WiFi空間を構築したいエリアに設置します。配線は不要です。PCWLを設置する際は、最低1つの他のPCWLが見通せる場所にあるように設置してください。本無線LAN装置の特徴は、複数台のPCWLが互いに無線で信号を中継し合うことで、LAN配線の必要なく、無線LANのエリアを簡単に拡大できることです。自動的に中継経路を形成します。多段中継が可能ですので、PCWLを次々と設置することで遠くまで無線LANのエリアを拡張できます。一台設置するごとに、各PCWLに備わっているボタンを押下して、LEDランプが点灯することを確認してください。ネットワークが通じているかどうかを1台設置のつど、その場で確認できます。PCWL間の中継回線の通信可能距離は、見通しで30~50m程度と考えてください。上記の間隔でPCWLを設置すれば十分な品質のアクセス回線(各PCWLとWiFi端末を結ぶ回線)を確保できます。

(3)注意事項~屋外利用について
PCWLの中継回線には屋内利用しか認められていない5.15GHz~5.25GHz帯の周波数帯域が使われています。したがって、屋外利用はできません。同帯域は公共衛星通信等の用途で他に割り当てが行われているそうですが、具体的にどのシステムが利用しているかの詳細は不明です。PCWLの屋外運用がどうしても必要な方は、関係省庁へご相談いただくことをお勧めします。無論、確約などできませんが、今は非常時、何かしら配慮していただけるかもしれません。

もし仮に屋外利用の許可が下りた場合であっても、PCWLのハードウェア自体が屋内仕様で設計されているため、雨風にさらされる環境での利用は必ず次の対策を施してください。PCWL本体を、電波の遮蔽が少ないビニールやプラスチックケースなどで覆う。PCWL本体が熱を発するので、大きめのビニールを用いて中に空気を充てんして膨らませた状態がベストです。バッテリにも同様の対策を行ってください。

(4)外部インターネット回線について
PCWLは多数のそれらが連携して無線LANのエリアを拡大するための装置です。PCWLによって形成された無線LANのエリアでインターネット通信を実現するためには、外部インターネット回線の確保が必要です。現在、被災地において通信キャリア各社が衛星通信等を使ってインターネット回線の敷設を行っているようです。これらを外部回線として利用してください。外部回線は設置したPCWLのどれか一つに、一か所だけ接続すればOKです。
  


Posted by furuhiro at 23:53Comments(0)その他